金石小唄                歌詞:一題目 鴻野八郎 二題目 桑野 粛

 

1 アアエエわしがじじごは 銭五の船唄 三十五反でえぞ通い ヨーイヨーイヨイトナ

  えぞ通いヨイショ 三十五反でえぞ通い 

(ヨーイヨーイヨイヤセイ チョコドッコイ ヨーイトナ)はやしことば、カタカナ部分省略

2 宮の腰かよ 磯打つ波は 

裾も濡らせば袖も引く

 裾も濡らせば 袖も引く

3 急ぐ旅でも 見て行きゃさんせ

  加賀の名所の銭五松

  銭五松 加賀で名所の銭五松

4 船が来る来る 大漁旗立てて

  浜じゃ魚の市が立つ

  市が立つ 浜にゃ魚の市が立つ

5 御船遊郭*出すお客

  松も相生 濤々園

  濤々園 松も相生濤々園

6 今日は丑の日 いざ金石へ

  海は遠浅波はなし

  波はなし 海は遠浅波はなし

7 安宅逃れし 源氏の君に

桜宿貸す 宮の腰

宮の腰 桜宿貸す 宮の腰

◆この唄は、昭和初期に一般募集で創作された唄である。江戸時代、海の百万石といわれた豪商・銭屋五兵衛は、河北潟の干拓事業に手がけ、その際、死魚やその魚を食べた住民の中毒死事件が発生した。五兵衛が疑いをかけられるとともに、一族が捕えられて牢獄へ、主犯格の三男要蔵は(はりつけ)にされたのである。この磔の場所(金石小学校校庭)に近年まであった松を銭五松と名付けられていた。金石地区の御船町には遊郭、濤々園という公演周辺には、劇場・大風呂・遊園地などがあり、賑やかであった。源義経は、弁慶らとともに欧州平泉へ逃れる際、この宮腰に立ち寄って泊まったという伝説が残っている。